

Saint-Émilion
Château Trotte Vieille 2011
サンテミリオン / シャトー・トロットヴィエイユ
伝統と深みを感じる、
静かなる王者。

「Trottvieille(トロットヴィエイユ)」──
このユニークな名前は、“小走りのおばあさん”を意味する、ほほえましい伝説に由来します。
けれど、そのグラスの中に広がるのは、800年の歴史を湛えた、真にクラシカルで洗練された赤。
15世紀にはすでに存在が確認されていたシャトー・トロットヴィエイユは、現在も**サンテミリオン第1特別級B(プルミエ・グラン・クリュ・クラッセB)**のひとつとして高く評価され、
伝統と精緻な醸造哲学のもと、熟成とともに真価を発揮するワインを世に送り出しています。
畑はサンテミリオン東側の美しい丘陵地に位置し、粘土石灰質の土壌が骨格とミネラル感を育てます。
特筆すべきは、フィロキセラ禍以前の“奇跡の古木”カベルネ・フランが今も一部の区画に残されており、100年〜150年を超える命が、今もこのシャトーのワインに深みを与えています。
メルロー、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨンの3種を絶妙にブレンド。
とくにカベルネ・フランの比率が高いことがこのワインの個性となっており、
アロマはリコリスや花、エスプレッソ、ブラックベリー、ダークチョコレート──
繊細でありながら奥行きのある香りが、時間とともにゆっくりと開いていきます。
収穫は手摘み、3段階の厳格な選果。
発酵には伝統的なコンクリートタンクを使用し、ファーストワインには100%新樽のフレンチオークを用いて12〜18ヶ月間の熟成。
一滴一滴に、丁寧な手仕事が宿ります。




口当たりはしなやかで、タンニン・酸・果実味のバランスが美しく、
まさに“エレガンスを纏った豊かさ”。
今この瞬間でも楽しめる完成度を持ちながら、熟成を重ねることでさらなる表情の変化が期待できます。
クラシックな赤身肉やジビエはもちろん、リッチな魚介、ハードチーズとのペアリングにも力を発揮します。
シャトー・トロットヴィエイユは、
“語らずとも語るワイン”。
その一杯には、時間の重みと静かな感動が封じ込められています。



SPECIFICATIONS

生産者 | シャトー・トロットヴィエイユ |
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生産地 | ボルドー |
生産年 | 2011年 |
ぶどう品種 | メルロ、カベルネ・フラン、カベルネ・ソーヴィニヨン |
提供温度 | 15-18℃ |
アルコール度数 | 14% |
フードペアリング | 鴨のスモーク、うなぎの蒲焼 |