

Crozes-Hermitage
Domaine Habrard 2022
クローズ・エルミタージュ / ドメーヌ・アブラール
“より良い世界”を目指す、
北ローヌのサステナブル・シラー

フランス・ローヌ地方の名高いAOC「クローズ・エルミタージュ」。その歴史的な北部に佇む家族経営のドメーヌが、ローラン・アブラールです。5世代にわたりこの地に根ざす彼らの哲学は、「テロワールと品種の個性を、オーガニックワインで昇華させること」。オーナーのローラン氏は、自らを「SIMPLE PAYSAN(素朴な農夫)」と呼びながら、“より良い世界のために”という言葉を大切に、土と人に向き合い続けています。
2008年にはすべての畑を有機農法に転換し、現在では一部バイオダイナミック農法も導入。雨水の再利用、太陽光発電(CO₂排出を年間293トン削減)、不要な包装の排除など、環境にやさしいワイン造りを徹底しています。さらに、従業員への利益分配制度やフェアな時給評価など、労働環境にも配慮。単に“美味しいワイン”ではなく、“誠実な循環”から生まれる一本を届けてくれる造り手です。

代表作であるクローズ・エルミタージュ ルージュ 2021は、シラー100%。美しい紫がかったチェリーレッドの色調。スミレやリコリス、赤い果実の香りに、シラーらしいブラックペッパーやスパイスのニュアンスが広がります。味わいはみずみずしく、繊細な酸が果実味を引き立て、控えめなタンニンとともに優雅な余韻を演出。まさに「穏やかな情熱」を感じる1本です。
熟成にはステンレスタンクやコンクリート槽を主に使用し、少量ながら高品質のオーク樽も併用。10年にわたり亜硫酸塩無添加での赤ワイン醸造を実践してきた実力派でもあり、シンプルで歪みのない美しい表現が光ります。

このワインが引き立つのは、スパイスや旨味を伴う料理。ラムのローストやビーフステーキ、ジビエ料理など、しっかりとした赤身肉と好相性です。また、茄子やマッシュルームのグリル、クミンやタイムを使った香草料理とも絶妙にマッチ。ハードタイプのチーズやブラックオリーブとの組み合わせもおすすめです。
北ローヌの風土を映し出す、優しさと芯のあるシラー。
それは、「農夫の手」が生んだ、静かな革命の味わいです。
SPECIFICATIONS

生産者 | ドメーヌ・アブラール |
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生産地 | コート・デュ・ローヌ |
生産年 | 2022年 |
ぶどう品種 | シラー |
提供温度 | 16-18℃ |
アルコール度数 | 12.5% |
フードペアリング | ペッパーステーキ、 鴨のロースト ポワヴルソース、タイ風牛肉サラダ、ローヌのチーズ(ピコドン) |