Château Beychevelle訪問レポート
まず始めに、シャトー・ベイシュヴェルを語るには外せないワインのラベルにも載っている船の話からお伝えしたいと思います。 シャトー・ベイシュベルのシャトー(城)はボルドーで最も美しいと言われていますが、16世紀にこの城に住んでいたフランス海軍提督エペルノン公爵に敬意を払い、このシャトーの前のジロンド河を通る船は「ベッシュ ヴォワール(帆を下げよ)」と叫び、帆を下げて通っていました。この言葉が語源となり、「ベイシュべル」と名付けられたのです。 今も残るシャトーには記念碑が建てられていました。 MAIAMのワインボトルにも同じようにデザインしてあります。 この船はベイシュヴェルの象徴マークなのです。
到着後、すぐに畑に案内してくださいました。すぐ隣り(写真の右側)はメドック格付け2級のChâteau Ducru Beaucaillou(シャトー・デュクリュ・ボーカイユ)。 こんなに近くに育ったぶどうがそれぞれ全く違う味わいのワインになるから面白いですよね! サン・ジュリアンに18ヘクタールほど、オーメドックに10ヘクタールほどの畑を持っているシャトー・ベイシュヴェル。 平均樹齢は30年ほどで、カベルネ・ソーヴィニヨンを50-60%、メルロー40%、その他にもカベルネ・フラン、プティ・ヴェルドを栽培しています。 減農薬法を行い、環境と人に配慮したぶどう栽培を実施していて、畑を耕すときは、馬も機械も両方使って行うとのこと。ぶどう収穫時は100人ものアルバイトを雇って全て手摘みで行われているそうです。 2018年のぶどうの収穫が終わり、醸造の真っ只中だったシャトー・ベイシュヴェル。良いタイミングで、ワイン造りの工程を間近で見せていただくことができました。 今年はどんなワインになりそうか伺ったところ、とても良いヴィンテージになりそうとのこと。ぶどうにダメージもなく、収穫量も例年通りで素晴らしいワインになりそうだと話してくれました。ボルドーの別の地域では収穫量が少なかったというお話も聞いていたので予想外の回答でしたが、本当に場所によって違うんだなと思いました。 案内してくださった女性がぶどうを積んだトラックを発見して、積まれていた獲りたてのぶどうを持ってきて味見をさせてくれました! ワイン用のぶどうは酸っぱいのかなというイメージでしたが、食べてみたら甘くてとても美味しくてびっくり!そのまま食べても美味しいぶどうで丁寧にワイン造りをされている様子が伺われました。 こちらはぶどうの茎の除梗と、果皮の破砕を行なっているところです。機械も綺麗で新しい印象です。 こちらは、最新型のステンレスタンク発酵槽(トロンコリック型タンク)です。 ワインの造り方に関しては、こちらでも紹介していますので是非ご覧くださいね! こちらは2016年に新しく作られたステンレスタンクの貯蔵庫。 とても美しく設備も整っていて働いている方もイキイキと楽しそうに働かれているのが印象的でした。オープン時にはこちらの二階スペースにてレセプションパーティが開かれたとのこと★ワインの香りに包まれながらのパーティなんで素敵ですね! そしてこちらも新しい建物の中にあるワインセラー。 海底をイメージして、天井が波打つようなデザインになっています。中心にはベイシュベルの船のマークが木彫り彫刻になっていました。 シャトー・ベイシュヴェルでは、18ヶ月の熟成をさせているそうですが、こちらの新しいセラースペースと従来のセラースペースを2つヴィンテージごとに使い分けて、例えば2018年ヴィンテージと2017年は別の部屋で熟成されることになるようです。 50%は新樽を使用。8種類のフレンチオークを使っているとのことでした。 毎年400,000本のワインを生産しているとのことで、その樽数は1300個!圧巻のセラーです。 さらに、地下に続く階段を降りていったところにある古いワイン倉庫を見させていただきました! ものすごく古いワインもあり、シャトー・ベイシュヴェルにとって何か大切な機会にスタッフや関係者で飲んだりもするとのこと。 案内してくださった女性も、50年前のワインを飲んでその美味しさに感動したと教えてくれました。 熟成させたワインもまた魅力。たくさんのお宝が眠っていました✨ ぶどうの収穫が終わってワイン造りが始まる一番忙しい時期に、丁寧に案内してくださったことに本当に感謝しています! シャトー・ベイシュヴェル、その美味しさの秘密を肌で感じた訪問となりました。 是非味わって飲んでいただきたいです!