MAIAM おすすめのワインをその月に合わせてセレクトしている、「今月のワイン」
8月のワインは、真夏も爽やかにマリアージュを楽しんでほしい!
ワインで少しでもゆったりとくつろげる夏のひと時を過ごしてほしい…そんな思いを込めて、「チーズに合わせる白ワイン2本セット」にしました✨
【今月のワイン】チーズに合わせる白ワイン2本セット
"un village un fromage" (アン・ヴィラージュ・アン・フロマージュ)
-ひとつの村にひとつのチーズあり
この言葉通り、その土地に根ざした個性豊かなチーズが世界中でたくさん作られています。その数は1000種類に及ぶと言われているほど。
ワインに合うものと聞いてパッと思い浮かぶのが、チーズですよね。
チーズもワインも、ものすごい数の種類があるもの同士なので組み合わせが何万通りとあり、ヨーロッパでは古くから相性の良い組み合わせとして愛されてきました。
また、チーズに含まれるタンパク質は他の食べ物よりも素早く口の中で溶け込み、ワインのタンニンと結びつくのでワインの味をまろやかにします。
ワインの渋みや酸をマイルドに感じさせてくれるので、それもワインによく合うと言われる所以でしょう。
◇ チーズのタイプ
相性の良いチーズとワインの組み合わせはどう判断すれば良いのでしょうか?
まずはチーズの種類、大きく分けて6個に分類できます。
- フレッシュタイプ
乳を固めて水分を抜き、熟成させないで作る軟質タイプのチーズ。
クセが少なく、ほのかな酸味となめらかな口当たりが特徴。鮮度が味わいを左右するタイプなので、開封後は早めに食べ切るのがおすすめです、
→リコッタ、モッツァレラ、マスカルポーネ、カッテージチーズ、など
スーパーなどでよく目にする雪印メグミルクの「さけるチーズ」ありますよね。実はあれ日本オリジナルのフレッシュタイプのチーズなんです。「ストリングスチーズ」という別名もあるのだとか。
- シェーブルタイプ
ヤギのミルクを原料に使った独特な酸味と香りが特徴のチーズ。
熟成が進んでない部分はヨーグルトのようなさわやかな酸味があり、熟成がすすんでくると、コクが出てきます。
食べる30分前には冷蔵庫から出して室温に戻しておくのがおすすめ。包装紙をはずして空気に触れさせておくと、本来の風味が蘇ります。
→ヴァランセ、クロタン・ド・シャヴィニョル、サント・モール・ド・トゥレーヌ、セル・シュール・シェルなど
野菜との相性も良いと言われているので、ソースに使われることも多いタイプのチーズです。
- ハード・セミハードタイプ
乳を固めて、水分を多く抜いて保存性を高め、熟成させた硬質タイプのチーズ。
熟成が進むにつれ、旨みやコクのある味わいになります。料理に使われることも多いチーズです。
→コンテ、チェダー、グリュイエール、パルミジャーノ・レッジャーノ、ミモレットなど
耳に馴染みのあるチーズの名前が多いですね!
- ウォッシュタイプ
熟成させるときに塩水やお酒で表面を何度も洗うためウォッシュと言われています。
表面は独特な香り持ちますが、中身はコクがあり、クリーミーな味わいや舌触りが特徴です。
→エポワス、モンドール、ラングル、タレッジョなど
モンドールは、生産時期が8月15日~3月15日、販売期間は9月10日~5月10日までとされている季節限定の希少なチーズ。レストランなどで見かけたらぜひ食べてみてくださいね。
- 白カビタイプ
表面が白カビでおおわれたクリーミーな味わいのチーズ。白カビを表面に繁殖させ、熟成させます。
チーズの入門としては最適と言われているタイプです。
→カマンベール、クロミエ、バラカ、ブリ・ド・モーなど
日本でもよく見かけるカマンベールチーズは、「カマンベール村」が原産。他にも作られた土地がそのままチーズの名前になっているものはとてもたくさんあります。
- 青カビタイプ
マーブル模様のように一面に青カビが広がった個性的なチーズ。
白カビタイプが表面を熟成させるのに対し、青カビタイプはチーズの中から熟成させていきます。塩気も強く、刺激的でコクがあるタイプです。
→ゴルゴンゾーラ、フルムダンベール、ロックフォール、カンボゾラなど
ブルーチーズは塩分が多いので、無塩バターやクリームチーズと混ぜて少しマイルドな味わいにして楽しむのもおすすめです。
◇ ワインにぴったりなチーズとは…
【今月のワイン】でセレクトした白ワイン。
2種類それぞれどんなチーズが合うのか、チーズとワインのマリアージュを考えるときのポイントも含めてMAIAMのおすすめをご紹介します!
・l'Étoile / Domaine de Baud 2018
チーズだけに限りませんが、同じところで造られたワインと食材は基本的に相性が良いとされています。海が近いところで造られたワインにはシーフードが合うなど、その土地の風土に適したものが育てられていて、そこで暮らす人々の長年の食生活の中で育まれてきた組み合わせなので、自然と安定感のあるペアリングになります。
レトワールはスイスとの国境付近、ジュラ地方の白ワイン。独特な風味と黄色みの強い色合いは、現地フランスでも見かけることの少ない珍しいワインです。
同じ地方のジュラ山脈一帯で生産されているチーズが、「コンテチーズ」。
コンテチーズもレトワールも、テロワール(=その土地の風土や取り巻く環境)がとてもよく反映されているチーズで、まろやかで柔らかい味わい、山の木の実を思わせる風味が相まって鉄板の組み合わせが完成します。
同じ産地、そして味わいと風味の重さで合わせるのがポイントです。
そのまま食べても美味しいですし、薄く削ってサラダに乗せたり、パンに挟んでサンドイッチにしたりして気軽にマリアージュを楽しんでみてください♪
・Sauternes / La Perle d'Arche 2018
甘口のデザートワイン、ソーテルヌに合わせていただきたいのは、ブルーチーズの「ロックフォール」。
羊のミルクを原料としていて、ピリッとしたブルーチーズ独特の刺激とクリーミーな味わいが特徴です。チーズ通の行き着くところはブルーチーズ、中でもこのロックフォールだと言われるほどの個性です。
塩味が強いブルーチーズは、よく蜂蜜をかけて食べますよね。それと同じく、ハチミツやイエローピーチのアロマ溢れるデザートワイン「ソーテルヌ」と合わせてみて欲しいです。
とろけるようなワインの口当たりと、ブルーチーズの塩辛さとコクは濃厚でリッチなマリアージュ体験をさせてくれます。
寝る前にちょっとリラックスしたい、そんな日に味わっていただきたいです。
◇ 世界三大チーズとワイン
甘口ワインとブルーチーズの相性が良いとご紹介しましたが、世界三大ブルーチーズ、世界三大デザートワインと呼ばれるものがあるのをご存知でしょうか?
・世界三大ブルーチーズ
- スティルトン(イギリス)
ブルーチーズの中では水分量が少なく、シャープな味わい。
地元イギリスではクリスマスプレゼントとして、銀のポットに入れたスティルトンをクリスマスプディングと一緒に贈る慣わしがあります。 - ゴルゴンゾーラ(イタリア)
ドルチェ(甘口)とピカンテ(辛口)の2タイプがありますが、流通しているものはほとんどドルチェタイプ。
比較的塩分も控えめで食べやすいブルーチーズなので、ブルーチーズの入門におすすめです。 - ロックフォール(フランス)
三大チーズの中で唯一羊乳を原料とするブルーチーズ。ブルーチーズの爽快な香りの後に、羊乳ならではの豊かなコクが押し寄せます。
フルーツと合わせてサンドイッチにして食べると、瑞々しさとチーズのコクのハーモニーが楽しめますよ♪
・世界三大貴腐ワイン
- ソーテルヌ(フランス)
フランス・ソーテルヌ地区のソーテルヌ村を中心とした5つの村で造られる極甘口の白の貴腐ワイン。三大貴腐ワインの中でも一番有名でしょう。
ソーテルヌに流れる川の影響で霧が発生し、一体が濃霧で覆われるという珍しい気候条件によって、良質な貴腐ブドウが育ちやすい産地です。
アルコール度数が13%以上と高めに決められているのも特徴です。 - トロッケンベーレンアウスレーゼ(ドイツ)
ドイツの中でも最高級のワインとされている貴腐ワイン。
甘口ワインの中でも珍しいのが、アルコール度数の規定が5%以上と他の国に比べてかなり低く設定されている点。ドイツの気候が涼しいのでブドウを育てるのが難しいという背景がありますが、生産者たちの努力でトロッケンベーレンアウスレーゼは 10%以上の度数のものが多くなっています。 - トカイ・アスー(ハンガリー)
三大寄付ワインの中でももっとも甘いと言われている貴腐ワイン。
ワインに含まれる糖分量が180g/ℓ〜と規定があるのが、このトカイ・アスーだけなのです。
飲むときの温度を4度〜10度に調節すると、トカイワイン特有の芳醇な甘さが一番美味しく楽しめます。
◇ お気に入りのマリアージュで素敵な夏を!
チーズと合わせる2本セットとなっていますが、レトワールは山の食材と、ソーテルヌは焼き菓子などともとっても相性が良いワインです。
自分だけのお気に入りマリアージュを見つけて、ぜひこの季節を楽しんでくださいね✨
Happy summer!